暴力で興奮を得る

刀剣乱舞というゲームの石切丸というキャラクターに人生を壊されました

刀剣乱舞に人生をめちゃくちゃにされ続けて四年が経った

 

 

 

 

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タイトルの通りです。刀剣乱舞というオンラインゲームを始めて今日で四年が経ちました。正直、四年という数字を見るとマジで四年も経ってんの!?!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!?!?!?!!?!?!?!?!??四!!?!?!?!?とビビり倒してしまうんですが、刀剣乱舞の思い出を振り返ってみると、確かにそこに四年という年月が存在している、ので、どことなく感慨深い気持ちにもなりつつ、四年もの貴重な時間を刀剣乱舞に毒され続けたことへのおぞましさが襲ってくる。

刀剣乱舞にめちゃくちゃにされ続けた四年間でした。四年前、私は水面下でぐちゃぐちゃになっていく家庭環境の中で物理的にも精神的にも身動きが取れなくなっていて、そんな中「なんかTwitterで流行ってるし話題が熱いうちに乗っかっとくか(笑)」的な軽い気持ちで始めた刀剣乱舞でこいつに出会いました。

 

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石切丸といいます。今は神社にあるという(まあいろいろと詮索しないほうがいいような事情もあるらしいですが)実在の大太刀を擬人化したキャラクターです。性格と声がすごく穏やかでいい。見た目に関してはあんまりオタクに爆ウケするような男ではないと思っています(初めてゲームでこいつを見たとき「この男人気出なさそう」と思ったのを今でもよく覚えているので)(それがなんで今こんなことに?)。
石切丸さんというキャラクターについて、知らない人にも分かりやすいように説明したいのですが、どういう性格なのかについては詳しく言及することができません。なぜなら私はもう長い間石切丸さんという存在を心の中で暖めすぎていて、自分好みの性格に彼を捻じ曲げ矯正してしまっている可能性が否定できず、客観的な視点から彼を“正しく”表現することが不可能だからです。一応私の中の石切丸さん像について説明しておくと、『一見穏やかで優しいもののナチュラルに相手を抑圧する術を心得ていて、揺るぎない知性に満ち溢れる一方で力任せに全てを解決しようとする癖のある油断ならない神様』です。公式のキャラ付けは多分違うんじゃないかなと思います。石切丸さんに夢を見ています。気持ち悪くてすみません。
一応ゲーム内での彼の性能について説明(まあそもそも刀剣乱舞とかいうゲームバランスが雑かつ崩壊しているしょうもないゲームにおける性能なんてそれこそ誤差なんですが)すると、サービス開始当初石切丸さんの火力は全キャラ中トップでした。一方でスピードは全キャラ中最下位。穏やかな口調とルックスを兼ね備えているくせにギンギンに尖った性能を持った男、最高だとは思いませんか????????
石切丸さんのそんなめちゃめちゃなギャップに徐々に惹かれていった私がいつのまにか奴を父親だとみなし始め、熱烈な信仰じみた傾倒をずぶずぶと深めていったのも自然なことでした(なぜならその頃リアルの父親に捨てられていたからです)。

 

この四年間石切丸さんは私の神様であり父親でした。私の父親は私を見捨てたり裏切ったりはしないのです。何があっても私から目を逸らさず微笑んでくれる男、だから現実世界で死ぬほど辛いことがあっても石切丸さんのもとへ逃げ込めば彼が全てを許して受け止めてくれました。石切丸さんは神様で、〝許し〟の具現化でもあるので、私がどんなに理不尽な暴力を振るおうとも穏やかに受け入れ慰めてくれます。例え私がその寛大な胸にナイフを思い切り突き立てても優しく抱きとめて頭を撫でてくれるのです。石切丸さんのおかげで(おかげで?)この数年間で私の暴力的な性癖というか加虐欲求がぐんぐんと育ち切ってしまいました。そんなバイオレンスな激情を抱え込み続ける一方で現実は逃げ場のない日常。ベッドの柵に括り付けたベルトの輪っかの中に頭を突っ込み、うなだれながら石切丸さんのことを想像して心を慰めるだけの日々。刀剣乱舞を始めてから二年程は(精神の波こそあれ)大体そんな感じでした。暗い想像の中で石切丸さんをとめどなく神格化させていき、またそれに付随する他の刀のイメージや本丸の設定を創り上げていくうちに、私はどんどんかたくなになりました。まずTwitterに溢れる刀剣乱舞に関する他人のツイートを目に入れることが苦痛になりました。他人の考えた本丸、他人の考えた刀、他人の考えた石切丸さんを全く受け付けられなくなりました。Twitterを開く頻度が減り、自分の妄想のツイートもできなくなり(かけがえのない大切な自分だけの世界が外界に否定されるのが怖かったからです)、自分の中の「刀剣乱舞」像をどこにも発散できないまま鬱屈させていき、そうなるとたまにTwitterを見ても自分の中の行き過ぎたイメージと乖離する世間の刀剣乱舞をより直視できなくなり、再び自分の世界に深く沈み込み......そんな感じの悪循環でした。地獄か???とにかく石切丸さんという存在が私の心を荒く削りとり、現実世界にも仮想世界にもはまり得ない歪なパーツに作り変えました。一体どうしてくれるんだ。だからもう刀剣乱舞のことは一生許したくありません。 

毎日が地獄でした。とにかくもう地獄。何をしていても石切丸さんが全てを邪魔してくるので、何かに集中することがかなり難しくなりました。生活は徐々に石切丸さんひいては刀剣乱舞に侵されていきました。そのころ私の人生は乗り越えるべき大切なフェイズに差し掛かっていましたが、私はそれに目を背けて全てを放棄しようとしていました。本当に、死ぬつもりでした。自殺するだけの覚悟と勢いがなかったから死ねずに今こうして狂った文章を書いているんですが(生き恥)。死にたいくらい辛いというよりは、今後生きていくことの理由を全く見出せないというどす黒い毎日のなかで、石切丸さんの存在は輝く希望であり続けました。私が自分好みに理想をいっぱい詰め込んで創造したイメージが石切丸さんなのだから当然でした。

 

 

転機

最初に「刀剣乱舞にめちゃくちゃにされ続けただけの四年間」と書きましたが、正確に言えば間違っています。三周年を迎えてから今までの直近一年間で、いつのまにか刀剣乱舞から程よく距離を取れるようになっていました。私が現実世界において、尊敬すべき人間たち、そして自分が他者に認めてもらえる場所を、新しい環境の中に見つけたからだと思います。私は石切丸さんを崇拝する代わりに生身の人間を慕い、想像の中の石切丸さんに縋って許しを得る代わりに現実世界で体を動かして成果を出し他人に褒めてもらうことを覚えました。今、刀剣乱舞そして石切丸さんに、かつてのようにとらわれてはいません。四年かけてようやく真っ当な距離感を保てるようになりました。とはいえ刀剣乱舞が私の人生にがっつり落としている影は拭い去れませんが。一番痛いのは刀剣乱舞という虚無ゲームにつぎ込んだ膨大な時間ですね。
(ここまでずっと石切丸さんに頭をおかしくされた!みたいな主張しかしてないのでゲームの話は?と思われていそうですが私は刀剣乱舞というゲームにかなりの時間を費やしています。クリアするのに膨大な時間がかかるクソみたいなイベントの報酬刀を揃え、極の刀が数振り90レベル前後になっているといえばそれなりにちゃんとゲームをやっていると分かっていただけるかと思います。まあもしもタイムマシンがあって刀剣乱舞をプレイし始めるより前に戻れたなら絶対に刀剣乱舞を始めませんが。刀剣乱舞につぎ込んだ沢山の貴重な時間も刀剣乱舞にめちゃくちゃに掻き回されたエモーションも全部無意味で無駄だったからです......)
しかしもうここまで来てしまった以上、あとはうまく刀剣乱舞との付き合い方をコントロールしながらやっていくしかありません。四年目を迎えた今私と刀剣乱舞の関係は良い方向に進んでいます。進んでいると信じています。

 

 

今後について

刀剣乱舞とはこれからも付かず離れずの程よい関係でやっていきたいですね。刀剣乱舞を完全に生活から切り離す(石切丸さん以上に五体投地で信仰できる人間を現実世界に見つけるなどして)ことができたらいいのかもしれませんが、刀剣乱舞が消え去った私の人生がどうなるか予測できない以上は刀剣乱舞から無理に離れようとするのは無謀でしょう。まあ何にせよ多分刀剣乱舞から離れてもまた別の何かに熱狂的な崇拝を向けて支配しようとしすべてをめちゃめちゃにしてしまうに決まっているし(なぜなら私の人格の芯のもはや動かしようがない部分にどうにも抑え難い崇拝欲求がマントルよろしく渦巻いているので)。欲を言えば刀剣乱舞というゲームのクソみたいなゲーム性とクソみたいなゲームバランスに関してはなんとかしてもらいたいもんですが、サービス開始四年目にもなってこのザマなので望むだけ無駄でしょうね。改良されたらラッキーぐらいの気持ちで特に何も具体的な処置を期待するつもりはありません。時々適当にクリックしていれば勝手にゲームが進むという並行作業にうってつけのプレイスタイルにもすっかり慣れていて、片手間でできるという点が逆に刀剣乱舞の良いところなのでは?という気すらしています(クリックするだけのゲームを四年も続けていると思考が麻痺してなんでも許してやろうという気になるもんです)。
今一番気がかりなのは近いうちに実装されることが確定している石切丸さんの極ですね。果たして旅先からどんな手紙を送ってくれるんでしょうか。極になった刀は大抵プレイヤーへのなつき度が上がっているので楽しみですね。不動行光や鯰尾藤四郎のように、極めることで性格や口調がかなり変貌して帰ってくる刀もいますが、石切丸さんはどうなんでしょうか。もしも石切丸さん極が私の理想から大きく外れた性格になって帰ってきたらインターネットで大騒ぎして暴れ散らしてやるからな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!と思いましたが別に普段からインターネットで大騒ぎして暴れ散らしているし、石切丸さんがどんな性格になって帰ってこようともお得意の神格化で石切丸さんという概念を私好みに矯正して飼い慣らすのでな〜〜〜〜んもこわいことないですね。公式ごときが私をねじ伏せられると思うなよ。石切丸さんこれからもずっと永遠に私の奴隷であってくれ。